病院での音楽療法は、Child Life Departmentと協力して行われている施設がほとんどです。
Child Life Departmentとは、入院生活を送る子供たちに『遊び』を提供し入院生活の向上を図る専門職の方々が所属している部署です。(日本でこのような専門性を持ったスタッフを配置している病院は数例に留まっていますが、皆無ではありません。)
病院での主な音楽療法士の仕事としては、
1:入院生活が長い子供たちのためのノーマライゼイション (Normalization)
2:治療や入院生活へ対する不安を最低値まで下げること
3:治癒力の増進
4:家族を含めてのカウンセリング
5:緩和ケア
6:治療のアシスト
7:他の療法士と協力してのリハビリテーション
などなどがあります。治療のアシストは、もちろんChild Life Specialistの方も行いますが、お子さんの年齢があまりに小さい場合や、重度の障害により『遊び』に反応がない子どもたちへの治療アシストは音楽療法を使った方が効果があるといわれています。
東京では、早くから音楽療法を取り入れている病院として聖路加国際病院などがあります。
最近『すごい!』と思った病院での音楽療法
患者さんがあまりにも小さい場合(3歳以下)、心電図などじっとしている事が必要とされる検査をするため薬を使わざるを得ない場合がありますが、 年齢が小さいがために副作用の発症を心配する親御さんも少なくありません。 その薬の代わりに、音楽療法を使う例をいくつか見ました。
検査前に音楽療法士がアイソプリンスパル (iso principle)という, 患者さんの
テンションに合わせて音楽を演奏し初め、少しずつ眠りを誘うという音楽療法の手法を使うのですが、あああっという間に患者さんが寝てしまうのです。 そして、検査は薬を使わずに無事終了。
すばらしーい。
注:アイソプリンスパルは、眠りを誘うだけではなく、患者さんのテンションをあげたり、下げたりする事に音楽療法で使われる手法です。